女性は更年期に様々な体の変化が現れますが、その中の一つにドライシンドロームが挙げられます。ドライシンドロームとは全身に現れる乾燥のことで、多くの更年期女性が悩んでいます。
ドライアイはドライシンドロームの症状の1つで目が乾燥している状態を指し、年齢や性別問わず多くの方の悩みでもあります。しかし、更年期で女性ホルモンが減少すると涙の分泌量も少なくなり、目の乾燥による様々な不快症状が現れます。
更年期障害でドライアイが起こる原因
ドライアイは女性ホルモンであるエストロゲン減少が主な原因となります。
エストロゲンは様々な役割がありますが、唾液や涙腺などの外分泌腺に大きく関わっています。
しかし、女性は40代以降になると卵巣機能が低下し、エストロゲンが分泌されにくくなります。その結果、外分泌腺の働きが低下して涙の産生量が少なくなり、目が乾燥しやすい状態になります。
ドライアイはどんな症状?
一般的にドライアイは10秒以上目を開けられない状態を指します。
目が乾燥していると自覚するだけでなく、下記の症状がある場合にもドライアイと診断できます。
- 目が疲れやすい
- 視界が霞む
- 目がかゆい
- 充血する
- 涙が出る
- 目やにが増えた
更年期に入ってからドライアイに悩むようになった場合には更年期障害の疑いがあります。
また、涙の量が少なくなることで目の表面が傷つきやすくなる、視力が低下するといった症状を引き起こします。
さらに、ドライアイと老眼が重なることでピント調節がうまくできなくなり、眼精疲労を招きます。
更年期障害でドライアイが起こるメカニズム
ドライアイは涙の分泌量が低下することで起こる症状です。
一般的な原因としては、季節やエアコンによる空気の乾燥、パソコンやスマホの凝視による瞬き減少、コンタクトレンズの長時間装着などが考えられます。
しかし、更年期になるとドライシンドロームによる涙の減少に加えて、涙の質が低下することが原因となります。通常、涙には油分が含まれており、水分の蒸発を防ぐ役割がありますが、女性ホルモンの減少によって涙に含まれる油分も減少します。その結果、涙が速く蒸発されてしまい、ドライアイを引き起こします。
ドライアイの対処方法
現在ではドライアイ向けの目薬がドラッグストアや薬局で多数販売されています。こうした目薬を使用することで速やかに症状が改善されます。
また、日常生活でドライアイを予防できる方法があります。
例えば、仕事で長時間パソコンを使用する場合にはこまめに休憩をとる、室内の乾燥を防ぐ、瞬きの回数を増やすようにするといったことを取り入れるだけで、ある程度症状が改善されます。
症状が辛いときは・・・
ドライアイは根本的に治るものではありませんので、上記で紹介したような対処療法を行なうこととなります。
また、ドライアイの原因が更年期という場合には、症状を引き起こしている女性ホルモンを補うことで改善されます。
ホルモン補充療法(HRT)であれば他の更年期症状も同時に改善されるため、辛い症状を抱えている方は病院や個人輸入を利用するとよいでしょう。
更年期障害の治療法についてはこちらの記事で紹介しています。