唾液の分泌量が減少すると口や喉が乾燥し、渇きを感じます。こうした症状は誰もが一度経験することだと思いますが、3ヶ月以上乾きを感じている場合にはドライマウスと診断されます。
更年期になると口や喉が乾きやすくなりますので、ドライマウスで悩む女性が増加します。
更年期障害で喉の渇きが起こる原因
更年期障害は女性ホルモンの急激な減少によって生じる症状です。
女性ホルモンであるエストロゲンは体のあらゆる部位の活動を調節している自律神経と大きく関係しており、エストロゲンの分泌が減少することで自律神経に乱れが生じます。その結果、唾液の分泌されにくい状態となります。
また、エストロゲンには皮膚や粘膜を保護する作用がありますが、更年期になると保護力が失われるため口や喉の渇きを感じるようになります。
喉の渇きはどんな症状?
口や喉の渇きは日常生活で感じやすい症状ですが、更年期になると以前よりも症状が強く現れやすくなります。
- 異常な喉の渇きを感じる
- 食べ物が飲み込みにくい
- 口が乾燥してしゃべりにくい
- 寝ているときに喉が渇いて目が覚める
- 口の中が粘ついている
また、唾液の分泌量が少なくなると、上記の悩みの他にも細菌が繁殖しやすくなり、口臭・虫歯・歯周病・口腔カンジダ症といった口内トラブルの発生リスクが高まります。
更年期障害で喉の渇きが起こるメカニズム
ドライマウスとは一般的に唾液の分泌量が低下している症状を指し、健康に問題がない方でも一時的に感じることがあります。
唾液の分泌量が減少する原因としては、柔らかい食品による顎や舌の筋力低下、アルコールの過剰摂取による利尿作用、薬の副作用などが挙げられます。
しかし、更年期になると上記に加えてエストロゲン減少による自律神経の乱れが生じます。すると、唾液の調節機能も乱れてしまい口内が乾燥します。また、更年期の様々な体調不調やストレスも重なることで交感神経が優位となり、唾液が分泌されにくくなります。
喉の渇きの対処方法
口や喉の渇きを感じた場合、少量の水を飲むことですぐに口内が潤います。そのため、外出時は常に飲み物を持ち歩き、乾燥が気になったときに水分補給すると良いでしょう。
現在はドラッグストアでドライマウス専用の保湿ジェルやマウスウォッシュなども販売されていますので、こうしたケア用品を活用すると良いでしょう。
また、日常生活においてはアルコールの摂取を控える、なるべく硬めの食品を食べて唾液の分泌を促す、ストレスを解消するといったことに気をつけ、口内や舌の筋肉を鍛えるマッサージを行なうことをおすすめします。
症状が辛いときは・・・
更年期に差し掛かり、異常な喉の渇きを感じているという場合には病院へ相談しましょう。ドライマウスは更年期症状をはじめ、糖尿病や脳卒中の疑いもあるため、たかがドライマウスと思わずに診察を受けましょう。
また、更年期障害だということであれば女性ホルモンを補う治療薬や唾液の分泌を促す漢方薬がありますので、無理せずに活用しましょう。
更年期障害の治療法についてはこちらの記事で紹介しています。