更年期になると体に様々な変化が現れます。ホットフラッシュや肩こりなどの身体的な変化もあれば、うつ気分や情緒不安定といった精神的な変化もあります。
また、数ある変化の中でも一人で抱え込んでしまいがちな症状が尿失禁です。他人には相談しづらい内容のため、長時間の外出や人と会う回数が減ってしまうケースが少なくありません。そのため、更年期をやり過ごすためにも解決したい症状の一つと言えるでしょう。
更年期障害で尿失禁が起こる原因
更年期障害で尿失禁が起こる原因はいくつか考えられますが、主な原因は「女性ホルモンの減少」です。
更年期に差し掛かると女性ホルモンの分泌量は急激に減少します。すると、骨盤底筋群(膀胱・尿道・骨盤内の臓器を支えている筋肉)の筋力が低下し、膀胱のコントロールがしにくい状態となります。また、女性はもともと男性に比べて尿道が短いため、骨盤底筋群が弱い特徴があります。さらに骨盤底筋群は加齢、出産、肥満などの影響を受けやすく、更年期になると筋力低下で失禁を起こしやすい状態となります。
尿失禁はどんな症状?
尿失禁とは一般的に尿もれとも呼ばれています。
こうした症状は「自分の意志に反して尿を漏らしてしまう症状」のことで、4つのタイプに分類されます。
腹圧性尿失禁
お腹に力を入れた瞬間に尿が漏れる症状です。咳・くしゃみをした瞬間、重い荷物を持ち上げた瞬間、笑った時などに尿が漏れてしまう場合に該当します。
過活動膀胱(OAB)
少量の尿が膀胱に溜まっただけで強い尿意を感じる症状です。我慢できずに漏らしてしまうことがある、尿の回数が増えた、夜中に尿意で目覚めることがあるといった症状が該当します。
切迫性尿失禁
過活動膀胱の一つで、急に強い尿意に襲われてトイレまで間に合わずに失禁してしまう症状です。また、切迫性尿失禁はトイレへ行きたいと考えただけで漏らしてしまうこともあります。
混合性尿失禁
腹圧性尿失禁と切迫性失禁の両方が混在しているタイプです。
更年期障害で尿失禁が起こるメカニズム
通常、尿は腎臓で生成されて一時的に膀胱へ溜められます。膀胱は筋肉でできている袋状の臓器で、一定量が溜まると尿道周辺の筋肉が弛緩して排尿されます。
しかし、更年期になると膀胱や膣の働きを支えるエストロゲンの分泌量が大幅に減少します。すると、膀胱を支える骨盤底筋群の筋力が低下して膀胱をコントロールできなくなり、尿もれや頻尿といった症状を引き起こします。
尿失禁の対処方法
尿失禁は更年期女性に多い悩みの1つで、日常生活に支障をきたすとともに精神的ストレスを招きます。ですが、尿失禁は日常生活である程度予防・対処することができます。
手軽にできる予防方法としては、骨盤底筋を鍛えるトレーニングが有効です。
骨盤底筋を意識的に収縮・弛緩することで切迫性尿失禁や過活動膀胱の症状を改善することができます。他にも尿意の誘発しないように下半身を暖めることも大切です。
また、尿失禁になると水分の摂取を控える方が居ますが、尿路感染症を防ぐためにも適切に水分補給するようにしましょう。
なお、ドラッグストアや薬局では尿失禁の悩みに有効なサプリメントや漢方薬もございますので、活用しても良いでしょう。
症状が辛いときは・・・
尿失禁によって日常生活に支障が出ているという場合、無理をせずに病院へ相談してみると良いでしょう。
病院では手術という選択肢もありますが、多くの場合には薬物療法で症状を改善することができます。また、個人輸入代行サイトを活用すれば簡単に処方箋薬を購入できるため、手軽に治療を行うことが可能です。
更年期障害の治療法についてはこちらの記事で紹介しています。