更年期女性の悩みの1つにホットフラッシュと呼ばれるのぼせや発汗が挙げられますが、こうした症状が寝ているときに起こることもあります。
寝汗自体は誰にでも経験があることですが、更年期の寝汗は不快な思いをすることが多く、悩まされている女性は多く存在します。
更年期障害で寝汗の増加が起こる原因
大量の寝汗は女性ホルモンであるエストロゲンの分泌減少が大きく関係しています。
エストロゲンは脳の視床下部から卵巣へ指令を出されることで分泌されますが、卵巣機能が低下すると、いくら脳から指令を出されてもエストロゲンは分泌されません。
すると、自律神経が乱れて血管の収縮や拡張がうまくいかず、汗が出てきます。
また、更年期障害の寝汗は交感神経が働いている状態となるため、眠っていてもリラックスはできておらず、ストレスを感じて不眠を招くこともあります。
寝汗の増加はどんな症状?
寝汗は自然な現象ですが、下記のような症状に心当たりがある方は更年期障害の可能性が考えられます。
- 夜中に大量の汗で何度も目覚める
- 朝起きると汗で寝具や寝間着がびっしょり濡れている
- 寝汗の臭いが気になる
- 寝汗が気になって眠れない
なお、運動後の汗は水のようにサラッとして臭いもほとんどありませんが、更年期の汗はベタつきがあり臭いの元となる物質が含まれているので、不快に感じやすいです。さらに、寝汗が付着した寝具は頻繁に洗濯しなければなりませんので、家事が増えてしまうことにもなります。
更年期障害で寝汗の増加が起こるメカニズム
人は深い眠りに入るために自然と体温を下げますが、その時に健康な方でも一晩でコップ一杯ほどの寝汗をかきます。
通常の寝汗というのは体温が高いために生じるので、寝具や寝間着を変えることで寝汗は治まります。
しかし、更年期障害で自律神経のバランスが乱れていると汗腺を調節する機能が正常に作動せず、温度関係なく寝ている間に大量の汗をかいてしまいます。
また、生活環境や人間関係などの外的要因が加わることで症状が悪化するケースもあります。
寝汗の増加の対処方法
寝ている間の汗は他人に見られることはありませんが、自身では不快に感じます。しかし、寝汗は自分では気づくことができず、その場で対処することは困難です。
とはいえ、寝る前の工夫によってある程度寝汗を抑えることができます。
例えば、寝汗の量を減らすために寝る前の水分摂取を控える、吸水性の良い寝具や寝間着にする、寝る前にストレッチなどの軽い運動をして寝付きを良くする、アロマオイルや音楽などでリラックスを心がけるなどを取り入れると良いでしょう。
症状が辛いときは・・・
上記ではすぐに実践しやすい対処方法をご紹介しましたが、それでも症状が改善されない、辛いといった場合には、無理なく病院や薬局の薬を活用するのも1つの方法です。
更年期障害治療に有効なホルモン補充療法(HRT)や向精神薬(睡眠導入剤)などを利用することで、自律神経の乱れを整えて様々な体調不調を改善します。
また、医薬品にはなるべく頼りたくないという方は現在では睡眠の質を高めるサプリメントなども多く販売されていますので、お悩みや予算に合わせて選ぶと良いでしょう。
更年期障害の治療法についてはこちらの記事で紹介しています。